Fusion360は無料で使える高機能なCADソフトとして有名です。
日本人の利用者も多く、YouTubeやブログ等で操作方法が見つけやすいのも魅力的なポイント。
この記事では、Fusion360を使い副業で稼ぎたい方向けに、スタートアップ申請の方法についてまとめました。
個人用(無料版)は商用利用不可
Fusion360は個人用の無料版があります。
まずは無料版から使い始める方が多いと思いますが、無料版で作ったCADモデルは商用利用ができません。
2つ目に関しては公式YouTubeチャンネルのコメント欄でも“商用利用にあたる”とのやり取りがありました。
自身でECサイト経由で作品を販売する他、クラウドソーシングサービスでCAD関係の仕事を請け負う際も注意が必要です。
無料版の制限
無料版は商用利用不可以外にも制限があります。
ここでは代表的なものをピックアップします。
より詳細を知りたい方は公式サイトをご確認ください。
編集可能なファイルは10個まで
無料版では編集可能なファイルが10個までに限定されます。
大規模なアセンブリモデルや、過去のファイルを取っておいて再度編集するといった使い方はしづらくなっています。
もちろん有料版は無制限です。
STLファイルのCADデータ化ができない
有料版ではメッシュ変換という機能を使い、STLファイルを編集可能なCADデータに変換することができます。
3Dプリンターで使用するSTLファイル形式は編集ができないため、大変助かる機能です。
スタートアップ申請にトライしよう
この章ではスタートアップ申請について解説します。
スタートアップライセンスは無料で商用利用可能なありがたい制度 ※条件あり
スタートアップライセンスは無料で商用利用や、有料同等のCAD機能を使用できる大変ありがたい制度です。
CADソフトは100万~数百万するのが当たり前の中、Fusion360は有料版でも 年間61,600円 と格安です。
もちろん、趣味の範囲で購入するのはありだと思いますが、商用利用だとこのライセンス料は足枷になります。
そこで出てくるのがスタートアップ申請です。
スタートアップライセンスはこれから事業を大きくしたい人の強い味方になります。
利益を出せるようになったら有料ライセンス契約を結び Autodeskへ恩返ししましょう。
会社不要!個人でもスタートアップ申請は可能
個人の方でもスタートアップ申請は可能です。
申請フォームには「企業名入力欄」がありますが、私は空欄でも通りました。
スタートアップ申請 3つの条件
スタートアップ申請にはいくつか条件があります。
まだ収益を得ていない方は当てはまらないと思いますが、念のため記載します。
条件1.収益10万ドル未満
現状の年間収益が10万ドル未満である必要があります。
ドル⇔円レートにもよりますが、およそ1000~1200万円 の売上があるかが目安になります。
条件2.従業員数10人以下
こちらも個人であれば抵触する方は少ないと思います。
条件3.創業3年未満
創業3年未満である必要があるため、個人の方でも既に3年以上事業を続けている場合は抵触するかもしれません。微妙なラインの方は別途確認が必要そうな項目です。
スタートアップ申請の方法
具体的な申請方法について解説します。
スタートアップ申請 入力フォームURL
スタートアップ申請の入り口は下記です。
『今すぐ申し込む』をクリックすると入力フォームに飛びます。
入力例
私の入力例を記載します。
個々の事業内容によりカスタマイズが必要かと思いますが、参考になさってください。
ただ、私が申請した時と入力フォーマットが若干変わっていたため、最新のものに合わせた記載例としています。
一番重要なのは「製品、ターゲット市場、顧客、競合企業など」の欄です。
「ライセンスを無料で開放する=先行投資をしてくれる」ということです。
そのため、Autodeskにとってのメリットを記載する必要があります。
- どのような事業で収益化を狙っているか
- 事業化の可能性や取り組んでいること
- Fusion360のユーザーが増えるような施策 …etc
上記全てを記載する必要はないと思いますが、アピールできることはなるべく記載することをオススメします。
結果は10日営業日内に!無言承認も!
申請すると下記のメールが届きます。
「10営業日以内」ですので約2週間は待ちましょう。
ちなみに私はメール連絡は来ませんでした。
2週間程度経ったある日、Fusion360の左上を見ると「スタートアップライセンス」に変更されていました。
合格された方の情報
記事公開後に合格された方から情報をいただきました。
参考になる情報があるので、参考になさってください。
※許諾を得て掲載しております。
申請後2日で合格!
@FlowLog2 さんのブログを参考に
— まー@3DBOX (@mar3dbox)April 19, 2022
スタートアップ申請したところ、
無事通りました😄
早い💪
日曜日に申請して、
もう通ってました🥳
(サイレント承認)
Fusion360でまだ1円も
稼いでいない私でも通ったので、
皆さん早めにやっちゃいましょう😄
#fusion360
#副業 https://t.co/WRomVw52eQ pic.twitter.com/n5LZmNF9xL
貴社名「なし」でも合格!
合格連絡が来た方も!
他の方の話を聞く限りでは、連絡なしで合格される方が多い印象です。
まとめ
最近は会社員の方でも私のように副業に取り組む方が増えています。
その選択肢を広げてくれるFusion360のスタートアップ申請はとてもすばらしい制度です。
ただし、スタートアップライセンスは
❌「有料機能を無料で使える」
⭕「事業が軌道に乗るまで猶予をくれる」
という制度です。
そこを間違えないようにしつつ、事業を考えている方はありがたく制度を利用させてもらいましょう。
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